精神疾患による休職+病気休暇の状況比較~「休職」までの期間に自治体差あり、こちらの数値の方が現状を反映?
前回の投稿に続き、今回も文部科学省「公立学校教職員の人事行政状況調査」より。
前回は精神疾患による「休職」に関する集計でしたが、今回はこれに1か月以上の病気休暇取得者も含めた状況について、お示ししておきます。
1か月以上の病気休暇取得者も含めた数値は、2016年度分より公表されています。
こちらの集計・比較においても在職者に占める割合について、学校事務職員の方が教育職員を上回ること、両者の差は21年度まで拡大し続け22年度は縮まったもののなお大きく上回る状況であること、学校事務職員における割合は調査開始以来一貫して上がり続けていることがわかります。
いずれも、おおむね割合同様に推移しています。
ところで。
12月初頭に全学労連の拡大事務局会議があった際に兵庫の学労から聞いたのですが、同県は精神疾患による病気休暇を、2年間取得できるそうです。(…が、このほど教員以外は短縮…とも)
私などは「病気休暇は90日過ぎると休職」というのが全国共通と思い込んでいたのですが、それをきっかけに聞いてみると、他にも90日を超えても休職ではなく病気休暇が続く県があることがわかりました。(例えば180日)
そうした自治体の違いを踏まえると、「休職」よりも「休職+1か月以上の病気休暇取得者」の方が、実態を反映したものと言えそうです。
休職発令までの期間がまちまちであるということは、該当者の条件が違うということになります。
実際、人事行政状況調査におけるそれぞれの都道府県・政令市ごとの割合を見ますと、教育職員の精神疾患による休職割合は全国平均0.71%のところ兵庫県は0.15%と、ダントツの少なさです。
一方で1か月以上の病気休暇取得者を含めた場合においては、全国平均1.33%のところ兵庫県は0.74%と、これも確かに低い数字ではありますがトップではありません。
これは、病気休暇期間の長さが影響しているものと推察されます。
「休職」の数値に焦点が当てられていますが、その妥当性も顧みる必要がありそうです。