事務室の鍾声~学校事務職員の発信実践

伊藤拓也 全国学校事務労働組合連絡会議(全学労連)、学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)・川崎支部で学校事務労働運動に参加 川崎市立学校事務職員 Twitter→@it_zgrr

2020-01-01から1年間の記事一覧

習慣とエネルギー:惰性でなにかをやるのは好きではないけど、そのエネルギーは到底否定できない

ブログの更新をサボりすぎてしまっている。 いや、仕事ではないのだから気楽でいいとは思うのだけど。でも半月以上はやりすぎ。反省だ。 何事もそうだけど、しばらくやらないと久しぶりにやるにはよりエネルギーを要するように思う。 連休明けの出勤がしんど…

新型コロナワクチンの住民票に基づく接種 特別定額給付金の轍を踏むな~政府は生存権を守る観点から様々なケースに対応する体制を

厚生労働省は新型コロナウイルスのワクチン接種について、住民票所在地で受けることを基本とする方針を発表した。 実施主体となる市町村が住民票に基づき接種券(クーポン券)を送り、医療機関等で接種するという流れ。長期入院や単身赴任などの事情がある場…

「文科省」と「任命権者」の「ガバナンス強化」は、校門を破壊する

児童生徒らにわいせつ行為をした教員に対し、その態様に応じて懲戒免職するかどうか各地の教育委員会で「差」が出ていることを巡り、萩生田文部科学相は11日の閣議後記者会見で、「自校の児童生徒であるかどうかを問わず、免職とすべきだ」と述べた。 教員…

「教員の権威」が招く学校の多忙化と「学校における働き方改革」における「バッファ」のゆくえ

この数日、グッと寒くなってきた。ただ、私にとってはそれくらいの方がかえって調子がいいような気がする。 寒いんだか暑いんだかはっきりしない気温だと、まず着るものに困る。私は汗かきな体質なので、下手に厚着をすると汗をかいた上で冷えて体に悪いし、…

オンラインビデオ会議サービスを用いた新しい「参加権の保障」の可能性を見る

先週金曜日は全学労連の秋の中央行動だった。 今年の取り組みは、文科省交渉と財務省・総務省・都道府県教育委員会連合会・文教関係国会議員への要請行動、参議院議員会館での討論集会というものとなった。 私自身は文科省交渉と財務省要請、山内康一衆議院…

デジタル庁を考える集会に参加。現代が情報を基盤とする社会なのだとすれば、それを一元集約する「デジタル庁」は現代の「内務省」になっていくのか?

今日は「共通番号いらないネット」主催の「なんでもデジタル庁ですすめていいの?マイナンバー制度の際限なき拡大に反対する集会」に参加してきた。 マイナンバーはいらない:Event 東京都の学校事務職員であり全学労連事務局員も務めている宮崎さんが、「共…

横浜市教育委員会の懲戒処分取り消しへの対応から思い出す、川崎市教育委員会の対応。間違える行政。間違いを認めない行政。謝らない行政。

横浜市の教員が体罰の疑いで横浜市教育委員会から懲戒処分を受けていた件で、人事委員会が被処分者の審査請求を受け審査した結果、このほどその処分の取り消しを裁決したという。 元・横浜学校労働者組合(横校労)委員長の赤田圭亮さんがブログに書かれてい…

「学校事務クロニクル」感想:内容個々に賛否はあれど大いに刺激を受ける

「その立場にいて今頃かよ」とバカにされても仕方がないのだけど、「学校事務クロニクル 事務職員の過去・現在・未来」(中村文夫著・学事出版)をようやく読了した。ずいぶん前に購入はしていたのだけれど、初期に一度つまずいてからなんやかんやあってしば…

膨張するデジタル・コロナが見せる社会の病

昨日は全学労連の事務局会議だった。 この会議のときは事前準備等もあり昼前には事務所に入るのだが、この事務所というのが急な坂を登り詰めた丘の上にあるので一度たどり着くと帰るまで下界には降りたくなくて、つまり昼御飯は調達の上で事務所に入る必要が…

デジタル化の動向からノートの未来を心配する

この1週間ほど、めっきり寒くなった。 私は季節の変わり目に弱くて、この時期よく体調を崩す。 人より汗かきなので、暑い季節はもちろんのこと、ほどほど暖かいくらいの季節も極力薄着で通気性のよい服装で過ごすのだが(普段スーツなどは着ない)、これが…

「中曽根康弘氏への弔意」

今月17日、内閣と自民党の合同により、中曽根康弘元首相の合同葬が開催される。 内閣という行政機関が特定政党と合同で葬祭行事を行うこと、新型コロナ禍により多くの人々が職や生業を失い生活に困窮するさなかに国費から多額の経費を支出すること、同じく新…

通告~学校における働き方改革と概算要求

あれやこれやとしていてまだ書けていなかったが、文科省の2021年度予算・概算要求が発表されている。例年より一月遅れだ。 教職員定数改善をめぐり、学校事務職員の定数改善要求は明示されなかった。 一応、少人数学級の実現に関する定数要求は「事項要求」…

《学校のデジタル化考》「器に合わせてお前が変われ」と迫るやり方は、ちょっと非道いのではないか

このかんの動きを見ると、オンライン教育や学校のICT化、GIGAスクール構想はもはや教育政策とは言えず、社会全体の構造改革・規制改革=市場原理主義の徹底の尖兵として、学校や教育や児童生徒を利用する動きとなっているのではないだろうか。 https://t.co/…

カネで動かされたり優劣(のようなもの)をつけられたりというのは現社会では往々にしてあるけど、そのことが大手を振る社会はやっぱり下品だと思う

日本学術会議の新会員候補について菅首相が任命拒否したことについて、首相はインタビューで「会議は政府の機関で、年間約十億円の予算を使って活動し、任命される会員は公務員の立場になる」とした上で「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から、今回の任…

「GoTo」キャンペーンと「GoTo」できない人たち、「GoTo」対象なのに吸い上げられる人たち

「GoToトラベル」キャンペーンの発着対象に東京都が追加されるとともに「GoToイート」キャンペーンも始まったということで、テレビの情報番組を見ると、いかにお得かというアピールやキャンペーンを使って行きたい観光地、宿、お店の紹介が引きも切らない。 …

『自称法治国家』の公務員が健全に生きる道はどこにあるか

前回記事の投稿以降、体調不良があったり締切が迫る雑誌原稿執筆があったりで、ブログの更新ができなかった。 実際、雑誌原稿は締切を1日過ぎてしまったので、変な話その間にむやみにブログばかり更新してたら不義理が過ぎる。 更新してなくてよかった。 い…

「尊重された死」の前提は「尊重された生」~労働運動をやる理由の一端

義実家の飼い猫が亡くなり、今日はそのお弔いだった。 私自身は10回も会ったことはないし、会っても知らない人である私には警戒心むき出しで物陰に隠れて出てこない猫だったので、正直関係は薄い。 ただ連れ合いにとっては、私と一緒に暮らすことになり実家…

「デジタル庁」と真偽とこれまでの振り返り

新政権の目玉とされる「デジタル庁」。その象徴的表現としての「はんこ廃止」が耳目を集めている。 新政権への期待感という追い風に加え、コロナに伴う在宅勤務が一時呼び掛けられた中で、はんこ決裁がその阻害要因になったり合理性に欠ける理不尽な事象を引…

全学労連ニュースで文科省「標準職務例」通知批判:文科省「標準職務例」通知・事務職員への膨大な業務転嫁を許すな・「働き方改革」には学校業務そのものの縮減と教職員定数改善を

ブログの更新を何日か続けてお休みしてしまいました。連休はだらけてしまっていけませんね。飛び石休みの方が性に合っているように感じます。 仕切り直して久しぶりの更新です。 全学労連ニュース424号(2020年9月19日発行)がホームページ上にもアップされ…

現「政権」?「体制」?の源流としての小泉純一郎氏が壊したものとは

こんな記事を読んだ。 菅内閣誕生で完成「2012年体制」の悪夢 二階氏が後継指名した最大の狙いは(47NEWS) 菅内閣誕生で完成「2012年体制」の悪夢 二階氏が後継指名した最大の狙いは(47NEWS) - Yahoo!ニュース 「内閣」「政権」「体制」の整理、…

内定取り消し・解雇・雇い止め・有期雇用労働者への待遇格差…この国の労働のいま

2020年9月16日東京新聞朝刊12版より。今日は労働関係の報道が目を引いた。 7面には20年春新卒者の内定取り消しが昨年比5倍の174人との報。コロナ禍が大きく影響したとの分析。記事中、内定取り消しは解雇に相当するもので客観的で合理的な理由がない場合は無…

労働者の職階化=階層化とは、働き方や意識を変えさせられていく毒

今日は学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)・川崎支部の会議だった。川崎支部は、がくろう神奈川組合員のうち川崎市立学校で勤務する組合員で構成されている。私もその一員だ。 今日議論したなかで印象的なのは「昇格制度」。 私たちの生涯賃金は…

勇気と闘争心を胸にーある友人の決意

先日、学生時代の友人がSNS上で、自身が置かれている労働環境について「人権侵害だと思う」と書いていた。 その友人はある市役所に勤務しており、この4月に新しい部署に異動したばかり。その後、連日の終電帰り・昼も食事をとりながら仕事、という状況を吐露…

「ブラック企業」「ブラック部活動」「ブラック校則」…黒って悪いことですか?

全労協新聞2020年9月号巻頭の渡邉洋全労協議長執筆「『ブラック』表現の是非 差別される者に寄り添う議論を」は、たいへん重要な提起だった。 提起では、労働者を使い捨てる悪徳企業を「ブラック企業」と呼ぶことが定着し、人権を無視した労働環境・企業体質…

ふるさと納税が壊す民主主義

仕事柄、と関係あるかどうかはわからないが、ある時期から税制に興味を持つようになった。 といっても、法律的あるいは経済的なところを学ぶまではいかなくて、どういうところに大きく課税しどういうところに税負担を軽くすることにより……とかいう、まあ目新…

学校事務の標準化・平準化……って?

学校の施設設備に不具合が発見されたとき、どういう流れになるか。これ川崎の学校で言えば一概には言えない。 基本的に、まず第一報は教頭にいくのがたぶん大多数。明確にルール化されている学校もあった。 ただ、修繕の程度(金額)によってはどうせ支払い…

学校へのコロナ対策予算、活用の仕方は自治体にもよりけり。でもそれぞれに負担はやっぱりある。

今日は所属する学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)の会議。他市の事務職員から、国からのコロナ対策予算の使い道や使い勝手の話を聞いた。かなりまとまった額が学校に配当されたが、備品費と消耗品費の配分がニーズに合わなかったりといった問題…

学校事務職員の横のつながりは今も昔も重要テーマ。ただし、その関係はフラットでなくてはならない。と、思う。

昨日、ポリエチレン手袋をゲットし損ねたことをめそめそと書き連ねた挙句Twitterでも同志はいないかと聞いてみたら、ビニール袋を手にはめて代用という案をいただきました。そういえば以前いた学校では、予算の関係からかそれやってたような記憶が。 今日朝…

ポリエチレン手袋を買い損ねた

コロナ時代の学校運営において是非とも必要なのは使い捨てのポリエチレン手袋だ。児童が各教室で行う給食の配膳に際して、以前はよく洗った素手でやれば良かった作業に当たってもポリエチレン手袋をはめてやることになった。毎日の消毒作業にあたっても必要…

社会は人格を尊重しなければならない。人格の集合体が社会なのだから。

午後から強い雨が降ってきた。強い台風も来ている。沖縄・九州を中心に、各地災害にならないことを祈る。 1日遅れだが2020年9月5日付東京新聞朝刊12版から。 22~23面特報。少年法見直しにより実名報道(推知報道)の禁止から起訴後の18~19歳を除外するとい…