事務室の鍾声~学校事務職員の発信実践

伊藤拓也 全国学校事務労働組合連絡会議(全学労連)、学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)・川崎支部で学校事務労働運動に参加 川崎市立学校事務職員 Twitter→@it_zgrr

ポリエチレン手袋を買い損ねた

コロナ時代の学校運営において是非とも必要なのは使い捨てのポリエチレン手袋だ。児童が各教室で行う給食の配膳に際して、以前はよく洗った素手でやれば良かった作業に当たってもポリエチレン手袋をはめてやることになった。毎日の消毒作業にあたっても必要だ。

もっとも、ポリエチレン手袋を必要としているのは何も学校だけではないのだろう。接客業・飲食業を中心に、感染対策・衛生対策を求められるあらゆる事業場において、ポリエチレン手袋の需要が続いているようだ。

私は学校事務職員なので、学校で使用する各種物品の発注業務を担っている。この数か月、ポリエチレン手袋の入手は重要課題だ。品薄状態はこの1か月ほどの間にさらに悪化しているように感じる。政府が感染拡大防止より経済社会活動再開に舵を切ったことで、事業場の稼働が増えているせいだろうか。その辺りは推測だが。

今朝、出勤して朝イチでアスクルのページにログインしてポリエチレン手袋の在庫確認を行う。先週は(予算の制約も加味した上での範囲内では)全滅状態だったので今日も期待せずに見たのだが、なんとおあつらえ向きの商品が入荷しているではないか。

しかしいつ在庫切れになってもおかしくない、急がなければ、ああでも衛生用品はひとり5個までの制約があってこれだけだと送料がかかってしまう、本当は発注する前に様々な手続きが、そんなこと言っている間にさっきまで「在庫:あり」だったのが「在庫:9」になっている、あああああ…。

というわけで、そんな間にあっさり売り切れてしまった。正直、諸々の躊躇を可能な範囲ですべてすっ飛ばしても、たぶん間に合わなかったので仕方がない。でも悔しい。早くまた入荷してほしい。

 

東京新聞2020年9月7日付朝刊11版より。

5面発言欄。大学教授の西山教行さんの投稿で、コロナ禍が終息しない中で大学で対面授業を行うことがなぜ困難なのかが述べられている。小中高にない規模の大きさと密集性、行動の流動性、他国の事例、感染発生時の人権上のリスクを挙げ、遠隔授業はコロナ禍を一刻も早く終息に導く方策だと訴えている。説得力がある。

奇しくも6日、萩生田文部科学大臣は出演したテレビ番組で、大学での対面授業実施を要求している。Twitter上では多くの大学教員が怒りの声を挙げている。

 

すれ違いの根本は、品薄のポリエチレン手袋と同じかもしれない。政府が浮動的に進める、準備なき見切り発車の経済社会活動再開がもたらす、分断。