今日は「共通番号いらないネット」主催の「なんでもデジタル庁ですすめていいの?マイナンバー制度の際限なき拡大に反対する集会」に参加してきた。
東京都の学校事務職員であり全学労連事務局員も務めている宮崎さんが、「共通番号いらないネット」の中心メンバーでもあり、全学労連がマイナンバー問題について積極的な取り組みを展開できているのも宮崎さんの力に拠るところが大きい。
そうした関係性もあり、マイナンバーに関する集会について従来から呼び掛けられていた。ただ白状すれば、私自身はその集会に参加するのは今回が初めてであった。
マイナンバーに関する問題意識は同意するところだし、私自身も職場へのマイナンバー提供は拒否している(もっとも同時に、職場の職員に提供を打診する立場でもあるのだが)。ただそれ以上の立場には立ってきていなかった。
しかし今般、GIGAスクール構想と社会のデジタル化が結び付いたとき、激しい危機意識に駆られた。学校で働く私たちは、とんでもない役割を、無意識のままに担わされようとしてるのではないか。
集会は、本当に勉強になった。
宮崎さんによるデジタル化の歴史と現状の問題点の報告は、初心者にやさしいわかりやすい基礎認識を与えてくれた。次いで報告された、医療・教育・地方自治体におけるデジタル化の問題点も、それぞれの掘り下げを非常にわかりやすく解説していただけた。配布のレジュメ・資料もたいへん親切で、これからじっくり読み込んでさらに認識を深めたい。
集会の映像は後日、YouTubeで見られるとの事なので、ぜひご覧いただきたいと思う。
敢えてひとつ挙げて特に印象的だったのは、「個人情報保護法制の一本化と自治体個人情報保護法制の国基準化」の報告であった。
国に先行して市民の運動として条例制定され広げられてきた「個人情報保護」に対して、個人情報を利用したい産業界や研究者が「2000個問題」(国・自治体それぞれに個人情報保護の基準がまちまちで個人情報保護規定が国内で2000個ある、とする考え)と問題視。デジタル化と一体で、個人情報の利活用を進めるため個人情報法制を一本化することが狙われているという。
その問題点として4点が挙げられていたが、そのひとつめ「住民情報を利活用の対象として見ている」が、まさに私がGIGAスクール構想のその先の狙いに対して抱いた危機意識と合致した。
私が「さすがにないよ、ダメだよ」と思ったのもそこだ。
児童生徒の情報を「利活用の対象として見る」、公立学校がそういう場とされようとしている、学校事務職員としてその片棒を担がされようとしている、そんなのはダメだ。そんな立場には立ちたくない。
事は「自分の」個人情報の担保だけではない。私たちが政府・自治体から、人権ある個人として扱われるのか、利活用の対象としてデータの一端として扱われるのか、そういう課題なのではないか。
そしてまた、行政機関の一端である公立学校がそういう場に変容していくのか、そういう課題なのではないか。
GIGAスクール構想に基づく体制は、来年度には形成されている。全国に、そして足元で、通用する論陣を構築しなければいけない。
もっともっと勉強していきたい。