事務室の鍾声~学校事務職員の発信実践

伊藤拓也 全国学校事務労働組合連絡会議(全学労連)、学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)・川崎支部で学校事務労働運動に参加 川崎市立学校事務職員 Twitter→@it_zgrr

カネで動かされたり優劣(のようなもの)をつけられたりというのは現社会では往々にしてあるけど、そのことが大手を振る社会はやっぱり下品だと思う

日本学術会議の新会員候補について菅首相が任命拒否したことについて、首相はインタビューで「会議は政府の機関で、年間約十億円の予算を使って活動し、任命される会員は公務員の立場になる」とした上で「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から、今回の任命についても判断した」と述べたそうだ。

これと軌を一にするように、「国のカネで運営しているんだからつべこべ言うな」「国からカネもらっている立場で国を批判するな」といった論が出てきている。

 

なんのことはない。生活保護受給者だったり、国立大学だったり、私立学校だったり、映画監督だったり、そして公務員だったり……いや、結局公共サービス受益者である以上誰に対しても、政府や政権を批判した際にしばしば浴びせられる、古典的な暴論だ。

「国=政府」「国=政権」といった欺瞞的な混同を交えた詐術にすぎない。

 

その上で。もう少し「俯瞰的」に言うと。

そもそも、カネを出しているからといってそれだけでご主人様ヅラしたり、周囲がご主人様扱いしたり、逆にカネを受け取っている側だからといって周囲が奴隷扱いしたり、自ら積極的に奴隷根性にまみれたり、といった社会構造はあまりに前近代的ではないか、と思う。

 

 

今日は所属する学校事務職員労働組合神奈川・川崎支部川崎市教委当局との労使交渉だった。課題は「昇格基準」

交渉を振り返れば良かった点も悪かった点もあるが、それはそれとして。

「昇格」が賃金に直結する以上、労働組合として要求を掲げ交渉していくのは当然なのだが、個人的には「昇格」の「改善」を要求し言葉を継ぐことに、なんとも表現しがたいざらつきを感じた。

そもそも、本来は「昇格」それ自体がなくなった方が良いという立場だ。学校事務職員の間に本来必要のない「級」という垣根それ自体を取り払うべきだと。

そういう根元的な思いがありつつ、具体的要求は現行制度に対する改善要求にならざるを得ない、そのギャップをまだ自分のなかで橋渡しできていないのだろう。

組合の仲間とともに、また考えていきたい。

 

 

帰り道。鳥むね肉のひき肉とえのきが見切り品で安くなっていたので、きのこ鶏そぼろを作る。しばらく置いた方が美味いので、食べるのは明日以降。私の常備菜の定番です。
f:id:it_zgrr:20201006235909j:image