事務室の鍾声~学校事務職員の発信実践

伊藤拓也 全国学校事務労働組合連絡会議(全学労連)、学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)・川崎支部で学校事務労働運動に参加 川崎市立学校事務職員 Twitter→@it_zgrr

「GoTo」キャンペーンと「GoTo」できない人たち、「GoTo」対象なのに吸い上げられる人たち

「GoToトラベル」キャンペーンの発着対象に東京都が追加されるとともに「GoToイート」キャンペーンも始まったということで、テレビの情報番組を見ると、いかにお得かというアピールやキャンペーンを使って行きたい観光地、宿、お店の紹介が引きも切らない。

 

しかし、新型コロナ感染症は決して止まっていない。


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キャンペーンが感染の更なる拡大に繋がるのではないかという指摘も、当初からされてきた。その状況はいまもまったく変わりない。

それを忘れたかのような無邪気な放送には、違和感とも不快感ともなんとも表現しがたい、心ががさがさする感覚が沸いてくる。

 

もちろん、来客の減少で観光・ホテル旅館・飲食関係の業者は軒並み苦しんでいるだろうし、それに対して支援施策をとることには、なんら異論はない。

 

しかし、医療関係者や重篤化のリスクのある基礎疾患を有する人を筆頭に、現在の新型コロナ感染症への感染リスクを最大限避ける必要があり、旅行や外食など到底行い得ない人たちもいる。

また、新型コロナ感染症の影響で失職した人はすでに6万人を超えている。そうした人たちもまた、旅行や外食など考えられないだろう。

「お得だから活用しよう」と喧伝する無邪気さは、そういう人たちを置き去りにしている。

 

 

加えて、両キャンペーンとも課題が浮き彫りになってきている。

「トラベル」をめぐってはいわゆる高級ホテル・旅館に利用が集中し、もともと安価な宿泊施設には恩恵が及んでいないといった指摘がある。

「イート」をめぐっては、グルメサイトによる「手数料」の問題が指摘されている。飲食店を助けるためのはずの事業なのに、キャンペーンの軸であるグルメサイト経由の予約では飲食店がサイト事業者に手数料を支払う必要があり、これが飲食店の利益を圧縮してしまうという問題だ。

これについては昨日、Twitterでも書いた。

 


伊藤拓也(全学労連) on Twitter: "「ポイント付与は15の予約サイトに委託し、このうち「ぐるなび」「食べログ」など10の大手サイトは店から手数料を徴収する」 結局、個々の飲食店ではなく情報業者を儲けさせる施策。「GoToイート」を利用するせめて、店から手数料を取らないサイトを利用したい。 https://t.co/EOFUphKs11"

(上記ツイート以下、ツリーになっています)

 

グルメサイトの手数料問題は、もともとあったものではある。それでも、私も何だかんだでこれまで利用することがあった。

しかし今回改めてその問題を知り、同時に予約による手数料を徴収しないサイトの存在も知った。

「GoToイート」に限らず、今後飲食店を探すときにはそういったサイトを使うようにしたい。

 

それにしても、飲食店側から「サイトの運営者だけが儲かる仕組み」と言われてしまうような制度設計をした政府。

本気で飲食店を支援するための事業だったのか。